オリジナルの作成:2015/01/17
安く、ソースデバッガーが使えて、豊富なライブラリーが使える開発環境を作ろうと少しずつ開発を進めてきました lbed ですが、Arduinoのシールドを意識しながら、lbeDuinoと言う形で整理してみたいと思います。
この記事は、鈴木哲哉さんの著書 作って遊べるArduino互換機 に強く影響を受けています。 Arduinoのシールドとの変換シールドを作れば、安くて簡単な万能基板が使えることは、 気軽に電子工作を楽しむ第一歩になると考えたからです。
lbeDuinoでは、プログラムの開発はLpcExpresso Ver.6以降を使っています。 デバッガには、トラ技のARMデバッガを使用しましたが、LPC-LINK, LPC-LINK2も使えます。
Arduino勉強会では、ProtoSnap Pro Mini を使っているので、シリアル通信とUSBからの電源供給は、 FTDI USBシリアル変換アダプターを使います。 シリアル変換アダプターを購入されるのなら、 スイッチサイエンスの FTDI USBシリアル変換アダプター(5V/3.3V切り替え機能付き) が便利かと思います。
ピンの使い方は、mbed LPC1114FN28を参考にしました。
Arduinoの動作確認と言えばblinkなので、lbeDuinoでも以下の様なBlink.cpp作って動作を確認しました。
今回Arduino版のlbedと同じスケッチが使えるようにサンプルプログラムをArduino風に書きました。
lbedのArduino版については、Arduino/Arduinoでmbedユーザライブラリーを動かすを参照してください。
ledをDigitalOutのインスタンスとして作成し、LEDのオン・オフをled = !ledのように書けるところがmbed風 のプログラミングの分かりやすいところです。
#include"lbed.h"
DigitalOut led(D13);
void setup() {}
void loop() {
led = !led;
wait_ms(1000);
}
これまで作ったlbed用のユーザライブラリをlbeDuinoで動かしてみます。
mbedのTextLCDをlbedで動かしてみます。
3.3Vで動作するLCDは、オレンジボードに載せたものだけなので、以下の様にオレンジボードと接続して 動作を確認しました。
オレンジボード | lbeDuino |
---|---|
p24(rs) | D0 |
p26(e) | D1 |
p27(d4) | D2 |
p28(d5) | D3 |
p29(d6) | D4 |
p30(d7) | D5 |
動作確認をしたときの画像は、以下の通りです。
TextLCDの場合も、mbedのTextLCDの例題がそのまま使えます。
Arduino風に書いたTextLCD.cppは、以下の通りです。リセットするとHello Worldが上手く表示できないので、 少し調整が必要ですが、なんとか動きそうです。
#include "lbed.h"
#include "TextLCD.h"
DigitalOut led(D13);
TextLCD lcd(D0, D1, D2, D3, D4, D5); // rs, e, d4-7
int count = 0;
void setup() {
lcd.print("Hello World!");
}
void loop() {
lcd.locate(0, 1);
lcd.print("Count=");
lcd.print(count++);
led = !led;
wait_ms(1000);
}
パソコンとのシリアル通信(Serial)をArduinoのシリアルモニタを使ってテストしてみます。
シリアルを使う時には、FTDI USBシリアル変換アダプターを接続し、Rx, Txのジャンパーを結線します。
シリアルの動作確認にSerial.cppを作成し、予めArduinoのシリアルモニターを起動し、 ボーレイトを9600にセットして下さい。
#include "lbed.h"
DigitalOut myled(D13);
Serial pc(D0, D1);
void setup() {
pc.baud(9600);
pc.println("Hello World!");
}
void loop() {
char c = pc.read();
pc.write(c + 1);
myled = !myled;
}
最初にHello Worldを出力し、次に入力した文字の次の文字を返します。abcefgと入力するとbcdfghと返してきます。
LBEDのLPC1114版ではDigitalIn, AnalogInを実装していなかったので、LPC1343版から移植し、動作を確認しました。
DigitalInでは、以下のようにタクトスイッチに10KΩの抵抗でプルアップした回路を組み、スイッチを押したときに LEDを点灯するプログラムを作成して、動作を確認しました。
以下のプログラムButtonSwtich.cppを作成し、動作を確認しました。
#include "lbed.h"
// Pin 13 has an LED connected on most lbeDuino boards.
DigitalOut led(D13);
// Pin 7 has an tact switch on bread board.
DigitalIn sw(D7); // #A
// the setup routine runs once when you press reset:
void setup() {
}
// the loop routine runs over and over again forever:
void loop() {
led = !sw; // #B
wait_ms(200); // wait for 200 mili seconds.
}
AnalogInは、可変抵抗(potensiometer)を使って電圧を変えて動作を確認しました。
AnalogInの動作確認には、電圧が参照電圧ARefの0.1倍になったらLEDを消すプログラムPotensioMeter.cpp を作って確認しました。
/*
PotentioMeter
Turns on an LED on when potentiometer > 0.33V(0.1).
This example code is in the public domain.
*/
#include "lbed.h"
// Pin 13 has an LED connected on lbeDuino.
DigitalOut led(D13);
// Pin A0 has a analog input.
AnalogIn sensor(A0); // #A
// the setup routine runs once when you press reset:
void setup() {
}
// the loop routine runs over and over again forever:
void loop() {
float value = sensor;
if (value > 0.1) // #B
led = 1;
else
led = 0;
wait_ms(200); // wait for 200 mili seconds.
}
Toneは、PWMを使用しているため、LPC1114で使えるピンが限られます。 D3, D6, A0がToneとして使用できます。
以下の様にタクトスイッチを押すと圧電ブザーがなるようにブレッドボードで回路を組みます。
以下の様なBuzzer.cppを作成し、タクトスイッチを押すとド、レ、ミとなるように します。*2
/*
Buzzer
Sound on an buzzer on when button pressed.
This example code is in the public domain.
*/
#include "lbed.h"
#include "Tone.h"
int duration = 500;
// Pin 7 has an tact switch on lbeDuino.
DigitalIn sw(D7);
// Pin 2 has a buzzer on lbeDuino.
Tone buzzer(D3); // #A
// the setup routine runs once when you press reset:
void setup() {
}
// the loop routine runs over and over again forever:
void loop() {
if (!sw) { // #B
buzzer.tone(262, duration); // ド, 500 msec
wait_ms(500);
buzzer.tone(294, duration); // レ, 500 msec
wait_ms(500);
buzzer.tone(330, duration); // ミ, 500 msec
}
}
秋月でも販売しているI2C接続のLCD *3 とmbedの AQCM0802のライブラリ をlbedに移植したものを使用しました。
lbedとの接続は、以下の通りです。
lbeDuino | AQCM0802ボード |
---|---|
3.3V | 1番(VCC)、2(nRESET) |
GND | 5番 GND |
D8(SDA) | 4番(SDA) |
D9(SCL) | 3番(SCL) |
以下のI2cLCD.cppを使ってAQCM0802での動作を確認しました。
#include "lbed.h"
#include "AQCM0802.h"
// D13番ピンにLEDを接続
DigitalOut led(D13);
// D8番ピンSDA, D9番ピンSCL
AQCM0802 lcd(D8, D9);
// カウンター
int counter = 0;
void setup() {
lcd.setup();
lcd.print("Hello");
}
void loop() {
led = !led;
lcd.locate(0, 1);
lcd.print("cnt=");
lcd.print(counter++);
wait_ms(1000);
}
ここで紹介しましたlbeDuinoのソースは、以下のGitHubから取得できます。
lbeDuinoに必要なフォルダーは以下の通りです。
テストプログラムは、LBED_lbeDuino_MAIN/src に置いて下さい。
サンプルプログラムは、Examplesにあります。
lbeDuinoは思った以上に使えるので、テクノペンとジャンパー線で2号機を作ってみました。
1号機に対して以下の改良をしました。
テクノペンのパターンとジャンパー線は、以下の通りです。
今回は勇気を出してジャンパー線も公開します。
lbeDuinoのシールドについては、
lbeDuinoの開発環境構築手順については、
をご覧下さい。